ある講演会で、外国語で話すスピーカーが登壇します。聴衆は約100人。この時、講演内容についてのスライドが、聴衆の正面、スピーカーにとって背面のスクリーンに映し出されます。スピーカーの手元にはパソコンがあり、スライドを確認しながら話をします。

 

この時、通訳者はどのように配置すれば良いでしょうか?

 

まず基本的に通訳者は、(別途ブースを設置して同時通訳するのでなければ)基本的にスピーカーのすぐ横隣にいることが一番望ましいです。

 

理由は、スピーカーの声が聞きとりやすいということだけではなく、口元・表情など声以外の情報も汲み取れること。また本当に必要がある場合にはスピーカーの話を止めて、内容を確認したりすることもできるからです。

話し手の代理人として、一番近い場所で、言葉だけでなく細かいニュアンスまで感じ取りながら、通訳することが望ましいのです。

 

加えて、こういった講演会のケースで言うと、もう1点配慮するポイントがあります。

 

それは通訳者の位置から、映し出されるスライドが見られるように、座席や体の角度・配置を決めるということです。

 

もし聴衆の正面にスクリーンがあるならば、スピーカーと話し手がサイドに寄って隣り合い、且つスクリーンも見えるように角度を付けて配置します。

 

もしこういった配置がどうしてもできないような場合、通訳者が聴衆の最前列の真ん中に陣取って、通訳をするケースさえあります。(多少の違和感は否定出来ませんが)

 

やはり目から入る情報も、通訳の精度を上げる大きな要因となるのです。

 

またこういった講演会において、たとえスピーカーが立ったまま講演を行なうとしても、通常通訳者は着座をして行い、マイクスタンドを用意していただくことが望ましいです。なぜならメモ取りを行なうことも理由のひとつですが、マイクを手で持ったり置いたり、電源を付けたり消したりなど、通訳以外の作業を極力まで排除したいからです。

 

当日の会場設営において、意外に気付きにくい箇所ですが、より良い通訳パフォーマンスを引き出すうえでは、非常に大事なポイントと言えます。