通訳者が通訳者となるために、どのような訓練を行うのでしょうか?
通訳者となるための基礎訓練についてご紹介いたします。
本来通訳者を目指す人たちは、通訳訓練に入るにあたり、一般常識や一定レベルの語学力(英語でいうと英検1級やTOEIC900点程度)があることは前提となります。
しかし一般的に英語を学ぶ方々にも、通訳者が行なう訓練法は非常に効果的であり、英語学習法としておなじみになってきたものもあります。
まず通訳を行なう上で必要となる、主要な技量をあげると
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スピーカーの話を聞き取り、理解する ⇒ 音声認識力、意味把握力
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スピーカーの話を記憶する ⇒ 記憶保持力
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言葉を訳し、音声表現する ⇒ 文脈構築力、訳出力、表現力
通訳サービスを支える技量としては、この他
英語発音、即応力、語彙力、推測力、要約力など、さまざまなものがあげられます。
これらの技量を強化する訓練法のひとつに、『シャドーイング』という訓練法があります。
やりかたをシンプルに説明すると、英語音声を聞きながら、ほぼ同時にその英語を自分で言いながら、「影」のようについていく訓練法です。
主に「音声認識力」や「意味把握力」を強化することが目的で行なう訓練です。
シャドーイングで聞こえた英語をきちんと繰り返そうとすると、うまく繰り返せないところが出てきます。
それは
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聞き取れない単語や表現
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聞き取れるが口が回らない単語や表現
のようなところです。
これらを特定し、英語の音やリズム面での自分の弱点を強化することができます。
初歩的な話になりますが、日本人が英語を聞き取りにくい最大の理由は、英語と日本語のリズムの違いにあります。
例えば、日本語では「机(つくえ)」は「つ・く・え」と3拍になりますが、英語では「desk」は「デ・ス・ク」の3拍ではなく、(あえてカタカナで書くと)「デスク」の1拍になります。
これらが文単位になった時には、単語と単語の音が繋がり、強く発せられる音と、弱くあいまいに発音される単語や音が、波のようにリズミカルに聞こえてきます。
こういう英語の音とリズムの体系をつかむことが、音声認識力を強化する第一歩となります。
(次回につづく)
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